新型コロナウイルスの現状②と中国現地の生活
北京中医薬大学博士課程 崔衣林
こんにちは。北京中医薬大学の崔衣林です。多くの方から生活は大丈夫?食べ物はある?マスク足りてる?とご心配のお言葉を頂いております。現在、生活の不便はなく、市場に行けば食材はあり、マスクもある程度はキープしております。ご安心ください。今回は、そんな生活環境について実況中継させていただきます。
食べ物はありますよ。ご安心ください。2月初旬は春節であるうえ、ウイルスの蔓延し始め、各地で交通がストップしたため、市場は閉鎖され、食材がありませんでした。最近では回復して市場に行くと新鮮な食材並んでおります。しかし、周辺のレストランはほとんど閉まっており、マクドナルドやケンタッキー、すき屋、ピザハットなどではテイクアウトと出前のみのサービスで、店内で食べることは禁止されています。レストランやコンビニ、市場の入り口、団地の入り口には担当者が立っており、体温測定しております。そこで体温の高い方、マスクを着用していない方は立ち入りを断られます。列を作る際は前の人と1.5m離れて並ぶようアナウンスがあります。
団地の入り口での体温測定とマスクのチェック |
エレベーターに乗るとボタンを押す際、ウイルスが手に付着しないよう、ティッシュペーパーや爪楊枝が設置されています。マスク無しで外を出歩くと警察に捕まる(?)もしくは注意されるそうです。
エレベーターのボタンを押すために設置された爪楊枝やティッシュペーパー |
出前もお手頃価格であります。お弁当が200円から500円くらいで、送料無料のものもあり、マクドナルドだとプラス200円で出前してくれます。日本食だと500円から1000円くらいです。焼肉や火鍋、お寿司、餃子、北京ダック、ラーメン、ピザ、パリバケットのパン、フルーツ、タピオカジュース、ビール、タバコ、セブンイレブン、ローソン(300円以上、送料100円)までなんでもあります。
スマートフォンから様々な出前を頼める |
多くの会社や工場では、春節(中国のお正月)の長期休みと出勤禁止された今まで、約1か月止まったままです。年間売り上げの15%を占めると言われる稼ぎ時の春節に稼げないうえ、その後の出勤も禁止され、レストランやショッピングモール、旅行業、娯楽施設、宿泊施設、工場などでは多大な損失をこうむり、破産する企業も多いです。
自宅待機中の私は論文を書いております。数か月かけて先日やっとデータが仕上がりました! データは揃ったので、これから分析を進めていきます。内容は歴代日本漢方医の漢方薬薬量研究と臨床使用量についてです。室町時代の半井家より、後世派の曲直瀬道三、古方派の吉益東洞、折衷派の和田東郭、近代の大塚敬節や矢数道明など23名の臨床漢方薬使用量を調べ、現代日本ではなぜ漢方薬の量がこんなに少ないのか?いつから?何故?効果はどうなのか?中国の影響をどのように受けたか?と分析を進めていきます。今の私にとって自宅待機は大変ありがたいです。
研究の資料 | ||
この状況は長期戦となり、新型コロナウイルスが去った後も大きな影響が出ると思われます。潜伏期間が比較的長いので、油断せず、引き続き予防を徹底していく必要があります。今回、中国での現状、生活、研究についてご紹介させていただいたのは、現状把握だけでなく、今後中国留学を考えている方が留学をイメージできるようにとの思いです。留学準備の参考になればと思います。
武汉加油!中国加油!日本加油!