日本中医薬学会

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【第11回学術総会】会頭挨拶

2021.03.22 カテゴリー:最新の学術総会

初掲載日:2021.3.22

 

第11回学術総会 会頭 王 財源
(関西医療大学教授 附属図書館館長)

ごあいさつ

いよいよ日本も超高齢社会を迎え、日本の医療も、その対応については回避できない状態に遭遇しています。日本国内の高齢者人口は増加の一途をたどり、内閣府によると、現在の平均寿命について、2016年に男性80.98歳、女性87.14歳、2065年の平均寿命は男性84.95歳、女性91.35歳と、さらに寿命が長くなるという推計が出されています。
 2019年の高齢者の総人口に占める割合を他国と比較すると、日本(28.4%)が世界ではもっとも高く、次にイタリア(23.0%)、ポルトガル(22.4%)、フィンランド(22.1%)の順になっています。
 このような社会情勢のもとで、日本中医薬学会第11回学術総会では、中国伝統医学(以下、中医学)がどのようにして超高齢時代において現代医学を補完し、高齢者の「生活の質」を高めることができるのか、また、本学会が今後、日本の国内や国外で果たすべき役割と、より豊かな市民生活を営むために健康寿命の延伸について再考して行きたいと考えております。

中国伝統医療文化を基軸に成立した中医学には、本来、健康長寿を目指した先人らの豊富な知識と経験があります。「健康に生きること」「若々しくあること」「美しさを保つこと」これらの願望は、洋の東西を問わず、高齢者の方々の「生活の質」を高めるためには欠かすことができません。しかしながら、複数の慢性疾患が絡み合い、多剤併用の臨床現場において、高齢者に対する優しい医療を、どのような方法で補い、高齢者の「生活の質」を如何に高めるかについては、今後の医療に求められる課題でもあります。
 数千年の経験と実績を育んできた中医学は、あらゆる人種や民族、国籍や階層などの差異を超え、個々の違いを尊重しあい、差別することなく、すべての国民が平等に受けることができる医療であり、それらは各国にみる伝統医学の足跡をみても明らかです。
 ITの発展により、数千年間の経験則に基づいて蓄積された、伝統医学の技術力の水準は、現在、より進化を遂げ、その技術理論の応用は、今後の日本の伝統医療文化を支えることになるでしょう。

今年度の学術総会はCOVID-19が世界的に拡大するなか、WEB方式による学会開催となりますが、進み行く超高齢時代の中で、全国民への信頼と理解を広げる情報発信の場として、各界の有識者にご参加して頂き、日本中医薬学会の果たすべき使命と役割について、参加者の先生方と共に語りながら、新しき時代の潮流を切り開いて行く学術総会にしてまいります。

私たちの未来を託す若者らに何ができるか! それは私たちの〝挑戦〟にほかならない。

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